2009・IRONMAN・JAPAN(ラン)
Run
Bikeを終了した時点で9時間10分は予定より10分の遅れ。残りは5時間50分。佐渡の経験から5時30分では何とかなるだろと着替えながら安易に考えていたが、走り始めてすぐに昨日の試泳の際に切った足の裏が傷む。疲れと痛みから歩きが多めに入る。それでも8分/kmさえキープすれば40×8=320だから5時間20分だよと2kmの重要さを忘れてまだまだ気楽に歩きを入れる。いつまでたっても来ない一周目の終わりにやっとたどり着いたのが19時15分。制限時間まで2時間45分しかない。公式リザルトでは21km地点だが記憶では22km地点。残りは20×8=160=2時間40分なので、かなり余裕が無いことを認識する。ここまで来て前半よりペースをあげることが出来るのか? 難しい、でもやらなきゃ。と混乱しながらも簡単にペースは上がらない。25kmくらいだったろうか、一人の男性が声をかけてきた。「一緒にゴールを目指しませんか?一人より二人の方が走れると思いますから」そんな言葉だったと思う。「歩きがかなり入ると思いますがそれでもいいですか」と言ったら、「同じですよ」と笑ってくれた。そんなことで一緒に走り出す。多くはない会話を時々交わしながら二人でとぼとぼとゴールを目指す。そして奇跡の2周目、感動のフィニッシュは、この人との出会いがなければなかったのではないかと思う。実はこの人はガーミンを持っていたのだ。そして、今のペースは7分15秒だからとかいいペースだとか、○○kmまで200mくらいですよとか情報をいっぱいくれるのである。思考回路の鈍った頭で適当に考えるペースでなく、今のペースを分析してしっかりと間に合うか間に合わないかを教えてくれるのである。間に合うペースぎりぎりで走り続ける。そして一周目に感じていた最後の踏ん張りどころ33km辺りの坂に差し掛かった。当然、体力的には歩くところであるが、ここの坂は長い。ここを歩いたら取り戻せないと一周目に思っていた。一周目はほとんど歩いたから余計にそう思ったのだと思う。「歩かないのですか?」とガーミンさんが問う。私は「ここは長いのでゆっくりでも走らなければ間に合わないと思うから行きます」と言葉を返した。坂を見上げると気持ちがなえるので、帽子を深くかぶりなおして、うつむいて足元だけを見た。そしてずっと下をむいたまま1m先だけを見ながら上った。上りきったあたりでガーミンさんが「追いつきました」と声をかけて先に行ってしまった。ここまできたら15時間に間に合わなかったとしても、たった数分ことだと思った。その数分が届かず完走できなければ、あまりに悔しいだろう。そればかり考えていた。何度も何度も考えていた。あと5km。ここからは絶対に休まないと決めた。まだ制限時間内にフィニッシュできる確信はなかった。だから気持ちを入れて走った。最期の力を振り絞りキロ6分で走った(と思う)。「間に合いますか?」って声をかけてきた人がいた。「歩かなければ間に合います、絶対に。でも歩いていたら難しいと思います」と答えた。彼は歩いていたが、どうしたのだろうか。
「アイアンマンの方は生ビール無料です」という酒屋さんの前で師匠が「やっと来たな。間に合うよ。早く飲みに来い。ここで待っているから」と声を掛けてくれた。やっと間に合うと実感できた。
「WELCOME・IRONMAN・JAPAN」の看板はランの最期にずっと選手が帰ってくるのを待ってくれている。看板にありがとうとお礼をいいながら残り数百メートルを走る。そしてフィニッシュ会場である五島高校のグランドに入る。ハイタッチの嵐の後は応援席からフィニッシュ・ロードに下りてきた人たちに、もみくちゃにされながら人波を掻き分けてフィニッシュテープを切った。「ロングはもういいや」と思う気持ちがいつも最期に吹き飛ばされる。あと7分しか余裕がなかったがなんとか完走。
ランを一緒してくれた○○県のガーミンさん、本当にありがとうございました。あなたがいなければ完走できたかどうかわかりません。どこかの大会で、お名前を見かけたら声をかけさせていただきます。その時は、お互い余裕でフィニッシュしていたいものですね。(笑
RUN SPLIT 1: 21 km (3時間05分) 8:49/km
RUN SPLIT 2: 21.2 km (2時間38分) 7:27/km
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